2026年1月23日、Robo Co-opはGlobal Impact Sourcing Consortium(GISC)とともに、ニューヨークにて「インパクト・ソーシングと難民の経済的包摂」をテーマとするクローズド・ラウンドテーブルを開催しました。
本ラウンドテーブルは、AIによる急速な労働市場の変革、地政学的分断の拡大、さらにEU企業持続可能性デューデリジェンス指令(CSDDD)などの新たな規制枠組みの登場という時代背景の中で企画されたものです。
政策、研究、国連機関、民間セクターのシニアリーダーが一堂に会し、包摂的かつデジタル化されたサプライチェーンが、難民の経済的包摂をどのように前進させると同時に、企業のレジリエンス強化やコンプライアンス対応に寄与し得るかを議論しました。
◆登壇者
▫金 辰泰(Robo Co-op 創業者・CEO)
▫クリスティーナ・ジトナノヴァ 氏(UNHCR〈国連難民高等弁務官事務所〉ニューヨーク事務所 上級政策担当官)
▫デニス・ベル 氏(ニスカネンセンター シニアフェロー)
▫前田 正明 氏(日本クラブ 事務総長/開会挨拶 )
◆主な論点
中心的なテーマの一つは、「AIがもたらす最大のリスクは“破壊”ではなく“排除”である」という共通認識でした。
登壇者は、意図的な介入がなければ、AI移行期において難民がさらに周縁化され、デジタル格差や言語格差を通じて既存の不平等が一層深刻化する可能性があると指摘されました。
参加者は、こうした課題への対応策として、以下の取り組みについて議論しました。
▫デジタル・インパクトソーシング
▫AIを活用した学習モデル
▫リモートワークを前提とした就労モデル
具体的には、スキル開発と言語アクセスを統合すること、移動制約を克服すること、そして難民がグローバル・バリューチェーンに実質的に参画できる環境を整備することの重要性が確認されました。
議論を通じて、難民は受動的な支援対象ではなく、経済的パートナーであり、システムレベルのイノベーションに貢献する主体として位置づけられました。
◆本ラウンドテーブルの意義
本ラウンドテーブルを通じて、 難民の経済的包摂がもはや人道政策の周辺的課題ではなく、労働力戦略、サプライチェーンのデューデリジェンス、そして長期的な経済の安定性にとって中核的なテーマとなりつつあることを改めて確認する機会となりました。
◆参考資料
議論にあたっては、以下の資料も参照されました。
▫『Economic Participation and the Global Cost of International Assistance in support of Refugee Subsistence Needs』 (2024年11月、世界銀行・UNHCR共同報告書) https://www.unhcr.org/sites/default/files/2024-11/UNHCR-WB-2024-economic-participation-and-global-cost-of-assistance-for%20refugees-subsistence-needs.pdf▫『Opportunity by Design: How States Turn Immigration into Economic Advantage』 (2025年12月、デニス・ベル著)
https://www.niskanencenter.org/wp-content/uploads/2025/12/Opportunity-by-Design.pdf
Robo Co-opは、本ラウンドテーブルにご登壇・ご参加いただいたすべての皆様に心より感謝申し上げます。
今後も、本対話を具体的な連携や実践へとつなげていくことを目指してまいります。
https://www.niskanencenter.org/wp-content/uploads/2025/12/Opportunity-by-Design.pdf