Step 1・Discover

大手銀行・金融機関でRobo Clawを活用できる業務と導入候補の選び方

対象業務は、顧客資金への影響、顧客の権利・利益への影響、最終判断の有無、個人情報・信用情報の取り扱い、外部送信の有無、システム書き込みの有無、人間承認・ロールバックの可否という8つの観点で評価し、読み取り中心で人間が最終判断を行う低リスク業務から優先することをおすすめします。

結論

大手銀行・金融機関がRobo Claw導入の対象業務を選ぶ際は、①顧客資金や取引執行に影響しない、②AIが最終判断を行わない、③個人情報・信用情報の取り扱いが整理されている、④外部送信や書き込みが限定的か承認前提にできる、⑤人間承認とロールバックを残せる、という業務を優先してください。これらを満たす業務ほど、Pilotでの効果検証がしやすく、リスクも抑えられます。

Who This Is For

対象読者

事務企画責任者、リスク管理責任者、コンプライアンス責任者、DX責任者など、どの業務からRobo Claw導入を始めるか検討している方を対象にしています。

What You'll Decide

このSTEPで決めること

このDiscover STEPでは、Robo Clawの対象業務の候補を洗い出し、リスクの観点から優先順位をつけて最初に着手する1業務を決定します。要件・権限・承認の詳細設計は次のRefine STEPで行います。

Fit Check

適する業務/適さない業務

適する業務

  • 行内規程・手順書検索や照会分類など、発生頻度が高く手順が定型化されている業務
  • コンタクトセンター問い合わせの一次分類など、判断の一次案を人間が確認・修正しやすい業務
  • 審査資料・稟議資料の準備支援など、最終判断を人間が行う前提の支援業務
  • 顧客資金や取引執行に影響せず、書き込みを伴っても承認前提にできる業務
  • 入力データが社内文書・規程など、機密性のコントロールがしやすい業務

適さない業務

  • 融資可否、信用判断、本人確認、AML・不正認定の最終判断そのもの
  • 顧客資金の移動や取引執行を伴う業務
  • 口座状態の変更や、承認なしの顧客向け重要通知を伴う業務
  • 個人情報・信用情報の取り扱いルールが未整理な業務

Industry Challenges

大手銀行・金融機関固有の課題

対象業務を選ぶ段階で、多くの金融機関が次のような課題に直面します。

01

候補業務が多すぎて絞れない

規程検索、照会対応、審査資料準備、アラート整理など候補が多岐にわたり、どこから着手すべきか判断できません。

02

リスクの高低を判断する基準がない

業務ごとのリスクレベルを一貫した基準で評価する仕組みがなく、対象選定が属人的になりがちです。

03

個人情報・信用情報の取り扱い可否が不明

対象業務が扱うデータの分類や利用可否を、法務・コンプライアンス部門でないと判断できません。

04

書き込みを伴う業務の扱いに迷う

顧客情報や基幹データの更新を伴う業務を対象にしてよいか、判断基準がない状態です。

Method

実施手順

1. 候補業務を洗い出す

規程検索、照会分類、審査資料確認支援、アラート情報整理など、行内業務を棚卸しします。

2. 顧客資金・権利への影響を評価する

候補業務が顧客資金の移動や顧客の権利・利益に影響するかを確認します。

3. 最終判断の主体を確認する

融資可否・信用判断・本人確認・AML判断などの最終判断をAIが行う設計になっていないかを確認します。

4. データ分類を確認する

個人情報・信用情報・取引情報を扱うか、外部送信が発生するかを法務・コンプライアンス部門と確認します。

5. 書き込み有無・人間承認の要否を確認する

基幹データの更新を伴うか、どの程度人間の承認を残す必要があるかを整理します。

6. 優先順位を決定する

評価結果を一覧化し、最初に着手する1業務を決定します。

Evaluation Table

候補業務の評価表

以下は評価表の例です。自社の候補業務に置き換えてご利用ください。顧客資金への影響が小さく、最終判断をAIが行わない業務ほど、Discoverの優先度が高くなります。

候補業務顧客資金への影響最終判断個人情報・信用情報書き込み人間承認
行内規程・手順書検索なし該当なし扱わないなし不要
コンタクトセンター問い合わせ分類なし人間限定的に扱う社内のみ推奨
審査資料の不足項目確認支援間接的にあり人間扱うなし必須
AMLアラートの一次情報整理間接的にあり人間扱うなし必須

Data & Systems

使用するデータ・システム

Discover STEPでは、対象業務の候補を評価するために、以下のようなデータ・システムの状況を確認します。

行内規程・事務手続き 業務量・工数の実態 データ分類台帳 文書管理・ワークフロー CRM・コンタクトセンター Teams・メール

Human-in-the-loop

人間承認が必要な箇所

Discover STEPの時点では実装は行いませんが、候補業務の評価時に、以下の判断は必ず人間が行う前提で整理します。

  • 対象業務を自動化候補として選定してよいかの最終判断
  • 個人情報・信用情報・取引情報を扱う業務を候補に含めるかどうかの判断
  • 最終判断をAIへ委譲していないかの確認
  • 法務・コンプライアンス・リスク管理部門の事前確認

Measurement

KPI候補

Discover STEPでは、以下を候補業務ごとに仮説として記録し、後続STEPでの検証材料にします。

現状の対応工数

候補業務に現在かかっている人的工数の見積もり

効果仮説

自動化した場合に削減が見込める工数・時間の仮説

リスクスコア

顧客資金への影響・最終判断・データ分類などから算出するリスク評価

Pitfalls

失敗例・注意点

01

効果が見えやすい業務だけを選ぶ

リスク評価を省略し、効果が目立つ業務だけを選ぶと、後工程で統制設計のやり直しが発生します。

02

データ分類の確認を後回しにする

候補業務を決めてから個人情報・信用情報の扱いを確認すると、後のSTEPで手戻りが発生します。

03

複数業務を同時に着手する

最初から複数業務を並行して進めると、権限設計やPilot評価が複雑になり、検証が長期化します。

FAQ

よくあるご質問

最初に着手する業務はいくつが適切ですか

多くの場合、1業務から始めることをおすすめします。複数業務を同時に進めると、権限設計やPilot評価が複雑になります。

個人情報・信用情報を扱う業務は候補から外すべきですか

必ずしも外す必要はありません。ただし、データ分類・利用目的・権限を法務・コンプライアンス部門と確認したうえで、人間が最終判断する設計にすることが前提です。

融資審査業務は候補にできますか

審査資料の不足確認や稟議資料作成の支援であれば候補になり得ますが、融資可否そのものの判断をAIに委譲することは推奨していません。

候補業務の評価は誰が行うべきですか

現場の事務企画責任者と、リスク管理・コンプライアンス部門が共同で行うことをおすすめします。業務実態とリスク・規制の両方を踏まえた評価が必要です。

Continue

次のSTEPへ

対象業務が決まったら、次はその業務の要件・権限・承認設計を具体化します。

対象業務の選定を、一緒に整理しませんか。

現在の業務量・リスク・データ分類を踏まえて、Robo Clawの適用候補と優先順位を正式LPでご相談いただけます。

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