Step 1・Discover

自治体でRobo Clawを活用できる業務と導入候補の選び方

対象業務は、住民の権利・利益への影響、AIが行政判断を行うか、個人情報・要配慮情報を扱うか、法令・条例解釈を伴うか、外部送信の有無、決裁・承認を残せるかという観点で評価し、読み取り中心・情報整理中心で複数部局にまたがる定型業務から優先することをおすすめします。

結論

自治体がRobo Claw導入の対象業務を選ぶ際は、①住民の権利・利益への影響が小さいか人間確認を前提にできる、②AIが行政判断そのものを行わない、③個人情報・要配慮情報の取り扱いが整理されている、④法令・条例解釈を伴わない、または解釈は人間が行う、⑤外部送信がないか承認前提にできる、⑥決裁・承認を既存プロセスに残せる、⑦所管部局・専門職へのエスカレーションができる、⑧停止・訂正・ロールバックができる、という業務を優先してください。これらを満たす業務ほど、Pilotでの効果検証がしやすくなります。

Who This Is For

対象読者

デジタル推進部門、情報システム責任者、住民窓口責任者など、どの業務からRobo Claw導入を始めるか検討している方を対象にしています。

What You'll Decide

このSTEPで決めること

このDiscover STEPでは、Robo Clawの対象業務の候補を洗い出し、優先順位をつけて最初に着手する1業務を決定します。要件・権限・承認の詳細設計は次のRefine STEPで行います。

Fit Check

適する業務/適さない業務

適する業務

  • 庁内照会の一次分類や規程・要綱検索など、発生頻度が高く手順が定型化されている業務
  • 住民問い合わせの一次分類、FAQ候補提示など、判断の一次案を職員が確認・修正しやすい業務
  • 複数部局の情報を横断して確認・統合する業務
  • 住民情報の書き込みを伴わない、または更新前に決裁権者の承認を挟める業務
  • 行政処分・給付可否などの最終判断を伴わない、情報整理・下書き作成にとどまる業務

適さない業務

  • 発生頻度が極めて低く、自動化の効果を見込みにくい業務
  • 行政処分・許認可・給付可否・審査を承認なしに即時確定する必要がある業務
  • 住民の権利に直接影響する判断を、人間の確認なしに行おうとする業務
  • 入力データに要配慮個人情報を多く含み、扱いが未整理な業務

Industry Challenges

自治体固有の課題

対象業務を選ぶ段階で、多くの自治体が次のような課題に直面します。

01

候補業務が多すぎて絞れない

庁内照会、規程検索、住民問い合わせ、議事録整理など候補が多岐にわたり、どこから着手すべきか判断できません。

02

効果の仮説が立てられない

各部局の作業量や工数の実態が可視化されておらず、導入効果を事前に見積もりにくい状態です。

03

住民情報系・基幹系システムの接続可否が不明

既存システムがAPI連携に対応しているか、情報システム部門でないと判断できません。

04

行政判断に関わる業務の扱いに迷う

給付・審査・行政処分に関わる業務を候補にしてよいか、判断基準がない状態です。

Method

実施手順

1. 候補業務を洗い出す

庁内照会一次分類、規程検索、住民問い合わせ分類、議事録要約など、部局横断で発生する業務を棚卸しします。

2. 業務量・頻度を確認する

各業務の発生頻度(常時・日次・週次など)と、対応にかかっている工数を確認します。

3. 住民の権利・利益への影響を確認する

対象業務が行政処分、給付可否、審査など住民の権利・利益に影響する判断を伴うかを確認します。

4. 個人情報・要配慮情報の取り扱いを確認する

対象業務が氏名、住所、税・福祉・健康情報等の個人情報・要配慮情報を扱うかを確認します。

5. 法令・条例解釈の有無を確認する

対象業務が法令・条例の解釈を伴うか、伴う場合は人間が最終判断する設計にできるかを確認します。

6. 外部送信・住民情報系システム接続可否を確認する

対象業務が必要とするデータの所在と、外部送信の有無、住民情報系・基幹系システムとの接続可否を情報システム部門と確認します。

7. 決裁・エスカレーション経路を確認する

対象業務の出力を既存の決裁プロセスに乗せられるか、所管部局・専門職へのエスカレーション経路があるかを確認します。

8. 優先順位を決定する

評価結果を一覧化し、最初に着手する1部局・1業務を決定します。

Evaluation Table

候補業務の評価表

以下は評価表の例です。自庁の候補業務に置き換えてご利用ください。◎に近い業務ほど、Discoverの優先度が高くなります。

候補業務頻度定型性住民の権利・利益への影響個人情報の取り扱い書き込み
庁内照会の一次分類日次高いなし低いなし
規程・要綱・手順書検索随時高いなしなしなし
住民問い合わせの一次分類日次高い低い(人間確認前提)中程度なし
申請書類の不足項目確認支援随時中程度高い(受理可否は職員判断)高いなし

Data & Systems

使用するデータ・システム

Discover STEPでは、対象業務の候補を評価するために、以下のようなデータ・システムの状況を確認します。

条例・規則・要綱 庁内規程・業務手順書 住民問い合わせ記録 業務工数の実態 文書管理システム グループウェア Teams・メール

Human-in-the-loop

人間承認が必要な箇所

Discover STEPの時点では実装は行いませんが、候補業務の評価時に、以下の判断は必ず人間が行う前提で整理します。

  • 対象業務を自動化候補として選定してよいかの最終判断
  • 行政処分・給付可否・審査に関わる業務を候補に含めるかどうかの判断
  • 個人情報・要配慮情報を扱う業務を候補に含めるかどうかの判断

Measurement

KPI候補

Discover STEPでは、以下を候補業務ごとに仮説として記録し、後続STEPでの検証材料にします。

現状の対応工数

候補業務に現在かかっている人的工数の見積もり

効果仮説

自動化した場合に削減が見込める工数・時間の仮説

導入優先度スコア

頻度・定型性・住民の権利への影響などから算出する優先度

Pitfalls

失敗例・注意点

01

効果が見えやすい業務だけを選ぶ

頻度や例外対応の負荷を考慮せず、目立つ業務だけを選ぶと、Pilotの効果検証が難しくなります。

02

住民情報系システムの接続確認を後回しにする

候補業務を決めてから接続可否を確認すると、後のSTEPで手戻りが発生します。

03

住民の権利への影響を軽視する

影響の大きさを評価せずに業務を選ぶと、後工程で承認フローの再設計が必要になります。

FAQ

よくあるご質問

最初に着手する業務はいくつが適切ですか

多くの場合、1部局・1業務から始めることをおすすめします。複数業務を同時に進めると、権限設計やPilot評価が複雑になります。

住民に関わる業務は候補から外すべきですか

必ずしも外す必要はありません。情報整理・下書き作成までを自動化し、最終判断は所管部局・決裁権者が行う設計にすることで、候補として扱うことができます。

住民情報系システムの接続可否が分からない場合はどうすればよいですか

情報システム部門と連携し、対象システムのAPIやデータ連携の可否を確認してください。個別のご相談も可能です。

候補業務の評価は誰が行うべきですか

現場の担当部局と情報システム部門が共同で行うことをおすすめします。個人情報・要配慮情報を扱う場合は、個人情報保護担当も評価に加わることを推奨します。

Continue

次のSTEPへ

対象業務が決まったら、次はその業務の要件・権限・承認設計を具体化します。

対象業務の選定を、一緒に整理しませんか。

現在の業務量・頻度・住民情報系システム構成を踏まえて、Robo Clawの適用候補と優先順位を正式LPでご相談いただけます。

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